第1章 高校2年の春ー転校生ー
俺が乗り気じゃねぇ合コン会場に着くとそこには我が校の生徒である高田がいた
女子大生との合コンと聞いた筈なのになぜいるんだ!?
聞けば兄に言われたからだと言っていた
大学生に合わせて綺麗目の格好をしている高田はいつもの制服とは違い大人っぽかった
いや、元々高校生にしては大人っぽい顔立ちなのだが、それ以上に色気があったのは白ニットのせいだろうか
席替えをしても高田のことが気になりチラチラ見ていると女に「どこ見てんのー?」なんて言われイラっとする
腕を勝手に組まれ香水臭い
勝手に一方的に話をしてくる女の声が煩ぇ
苛立ちで貧乏ゆすりをしてしまう
すると立ち上がる高田が目に入り何やら赤くなって困ってる
俺は無意識に席を立ち高田の腕を掴んでいた
「俺とこいつの分の金置いとくから、後楽しんでな」
友人にそう声かけて俺は高田を連れて店を出た
夜道は肌寒く高田はカーディガンを羽織っている
俺は高田の横を歩幅を合わせて歩く
すると好きな女のタイプなんて聞いてきやがる
俺のタイプなんて聞いてどうすんだととりあえず考えるがあのベタベタの香水臭いのはやめていただきたい
「香水臭くねぇやつ」
そう答えれば高田は楽しそうにケラケラ笑う
こう言う所は高校生らしいなと思った
それが可愛いだなんて思った俺はヤバいやつなのか?
教え子のことをそんな目で見てしまう俺は...
あまりにも笑うもんだから俺は少し照れてしまう
俺たちは歩いて帰るとコンビニに寄った
「なんかいるかー?」
「え、いいですよ自分で出します」
「遠慮すんな」
一丁前に遠慮なんかしやがって女なら素直に甘えてくれたらいいのに
「じゃぁ」と持ってきたのは限定品のプリンだった
それをレジに置き支払いをしてると「りほ」と呼ぶ声
その声の主を見ると男で高田は少し怒ったように男に近づいていく
「お兄ちゃん!やっぱり先生と会っちゃったじゃん!」
兄、なのか?
似てねぇなと思ったのが第一印象
「あ、そーなの?ごめんごめん!」
そう言って兄は俺の方を見て
「すいません、俺が無理矢理行ってこいって言っちゃったんです」
兄は俺に頭を下げた
俺も「いや」と短く返事をする