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赤い糸

第1章 高校2年の春ー転校生ー


高田の兄は高田の頭を優しく撫でている

「なに?なんか買ってもらったん?」
「うん、限定もののプリン」

嬉しそうに高田も顔を合わせている

側から見ればカップルのようで少しもやっとした

「すいません、何からなんまで」
「いや、俺が勝手にしたことだ」
「優しそうな先生だな」
「でもね、怒ったらめちゃくちゃ怖いんだよ」
「高田〜!」
「ほら!怖い!」

いらん事を言う高田に俺が低い声で名前を呼ぶと焦りだす彼女は兄の腕を掴んでまたケタケタと笑う

俺たちは揃ってマンションに入る

「へー同じ階なのか」
「そうなの!びっくりしちゃったよ」

何気ない話をしながらエレベーターは上がっていく

「あ、申し遅れました!りほの兄の智樹です。妹がお世話になってます」
「あぁいや、俺は不死川と言います。数学教師をしています。妹さんは真面目に授業を受けてくれてるので助かってます」

智樹は保護者のように丁寧に挨拶をしてきたので、俺もそのように応答した

「それでは」
「おやすみ先生」
「あぁ」


俺たちはそれぞれの部屋に入っていった


「兄貴ーどうだった合コン」

家に帰ると弟の玄弥がニヤニヤしながら迎えてくれる

「まぁ...悪かなかったかな」
「へぇーいい女いたわけ?」
「いや、生徒がいた」
「は?女子大生との合コンじゃなかったの!?」
「紛れ込んでたんだよ」

「へぇー」と後ろ頭に手を組み玄弥はリビングに戻っていった
俺はそのまま風呂に直行する

あの香水女はともかく高田がいたことで最悪ってわけでもなかったのは事実だった
シャワーを浴びながら体についた香水を洗い流す

それにしても...あいつ胸、デカかったなぁ

いやいやいや、生徒にどんな目ぇ向けてんだ俺ぇ!!

頭から一気にシャワーをぶっかける

「はぁ...俺は何考えてんだぁ」




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