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赤い糸

第1章 高校2年の春ー転校生ー


テストも無事終わり勉強しといてよかったとおもった週末
兄が私に頼み事をしてきた

「あのさー明日合コン来てくれねぇかなぁ?」
「はぁ?高校生だよ私」
「そこ隠して参加してくれよ」
「お兄ちゃんは?」
「俺はバイト」
「は?私だけ参加すんの?」
「女の子一人来れなくなっちゃったらしくてさぁ」

はぁとため息を吐く私は仕方なく参加することになる

「で?相手は?どんな人が来るの?」
「俺の大学のOBが来るんだけど」
「てことは先生ってこと?」


兄は教育学部に在籍していて来年から教師になる予定だ
そのOBとなると現在先生をしている人たちがくるってわけで

「それうちの学校の先生来たらどうすんのよ」
「それは大丈夫だと思うけど...」
「本当にぃ?」

私は不安を胸に明日着ていく服をクローゼットの中から探し始めた




合コン当日

兄はさっさとバイトに行ってしまい母はリビングでうたた寝していた

大学生って設定で行くことになるんだけど、着ていく洋服を悩んだ

タートルネックの白のニットにスカートを履きパンプスに足を通す

まだ夜は肌寒いのでカーディガンを持って出かけた

駅前にある居酒屋でそれは開かれる

周りはみんな知らない人の中私は居心地が悪い
男女4人ずつ向かい合わせに座る
男の人が1人遅れているようで私の前は空席だった

「おーこっちこっち!」
「わりぃ」

遅れてやってきたその人の顔を見て私はギョッとした

「しっ!?」
「おま!!」

まさかの不死川先生が来たのだ

「なにやってんだよ!」
「先生こそ、何してるんですか!?」

私たちがこそこそ話してると周りは不思議そうに私たちを見る

「なになに?知り合いー?」
「いや、あの...」
「あぁ、同じマンションの住人だぁ」

不死川先生の一言に「まじでー?」なんて声が上がる

「おまえ大学生じゃねぇだろ」
「お兄ちゃんに頼まれたんですよ」
「だからってこんな所来るなよな!」

相変わらずこそこそと話す

「りほちゃん何飲むー?」
「あ、私はジュースで」
「えーお酒じゃないのー?」
「こいつ飲めねぇんだよ」

不死川先生がフォローしてくれる

「先生って合コンなんてするんですね」
「ちげぇよ穴埋めに呼ばれただけだ」
「ふーん」
「いいからお前は適当に帰れ」


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