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赤い糸

第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー


長風呂から上がってリビングに行くとさっきの状態のままソファで寝てしまっている兄がいた
私は兄の隣に座りぺちぺちと頬を叩く

「ちょっと風邪ひくよ」

すると寝ぼけている兄に腕を引き寄せられて抱きしめられる

「もぉ誰と間違えてるの?」

抱きしめた腕が思ったよりも強くて離れない

「ん〜りほ〜」
「私って分かってるなら離してよ」

それでも離れない兄
仕方なく頬を強めにつねった

「いってぇ」
「さっさと離れて」
「ん?あぁごめん」

やっと目を覚ました兄は体を起こし伸びをして自分の部屋に戻っていった

その後21時を過ぎて母が帰宅したので、夕飯の準備をして母が寛ぎ出したのを確認して私は部屋に戻った

ずっと部屋に置いていたスマホが通知ランプを光らせている

『今週末、玄弥が友達の家に泊まりに行くらしいからりほ家に来いよ』

実弥先生からのお誘いが来てたのは21時半頃だった
今は22時半
もう寝てしまっただろうか
返信をして起こしたりしないかちょっと迷ったが早く返事を返したくてメッセージを送信する

『お泊まりしてもいいんですか?』

するとすぐに返事がきた

『泊まれるなら』
『大丈夫です』

私は頬が緩む
実弥先生と一晩一緒にいられる喜びに枕に顔を押し付ける

友達の家に泊まりに行くってことにしよ
母は私のすることにあまり関心がないようだから問題ないけど、兄が煩い
男の家に泊まるなんて言えば絶対あれこれ聞かれるに違いない

家を出るのも見られないようにしなければ

『何時から言っても大丈夫ですか?』

数分して返事が返ってくる
多分玄弥くんに確認していたんだろう

『俺が18時頃に帰ってくるからその後なら大丈夫』

よし、それくらいの時間なら兄もまだ帰ってきてないだろう
たしか週末はバイトだったはず
私はすぐに返信した

『兄に見つからないように行きますね』
『了解』

週末が楽しみで仕方がない
一応、綺麗めの下着つけていこ
相手は大人の男の人だ
何があるかわからない

最後におやすみのメッセージを送って私は眠りについた
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