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赤い糸

第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー


帰りが遅い母を待たずに2人で食卓を囲む

「それで?その初体験の彼氏とはまだ続いてんの?」

食事中だというのにそんな話をしてくる兄を軽く睨む

「とっくに別れてるよ」
「へぇーじゃぁ新しい学校でいい人できた?」

ここで出来たなんて言えば紹介しろだの煩いだろうから実弥先生のことは黙っておこう

「そんなすぐにできるわけないし。そもそもお兄ちゃん達のせいで男の人に不信感しか抱いてないよ」
「そりゃ悪いねぇ」
「悪いと思ってないくせに」

兄は相変わらずへらへらしている
呆れた私は黙って食事を続けた

その間も一人よく喋る兄
私はさっさと食事を済ませて自室に戻って課題に取り掛かる

教科書とノートを見れば解ける問題
すらすらとシャーペンを走らせ課題を終わらせれば固まった身体を伸ばすように伸びをした

「ふぅ...お風呂、入ろうかな」

着替えを持って風呂場に向かった
鏡に映る自分を見てふと思う

実弥先生はこんな私のどこがよかったんだろう

制服のボタンを外し下着も取っ払い生まれたままの姿になる
自分の体に自信がない
実弥先生はこんな私の身体を見ても好きだと言ってくれるだろうか
可愛くない性格の私のどこがいいのだろう
どんどんと不安になっていく

身体を洗って溜まったお湯に身体を沈める

今日沢山抱きしめてもらってキスもして嬉しかった
でも、やっぱり不安で
本当に私のことが好きなのか
私でいいのだろうか
どんどんと負の気持ちが湧いてくる

「あーだめだぁ」

顔をお湯でバシャバシャとかける
考えれば考えるだけ気持ちがブルーになってしまう

実弥先生の声、聞きたいな
早く会いたい
会って抱きしめてもらいたい

愛されてる実感が欲しかった

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