第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー
5限の数学が終わり先生が立ち去ろうとする時クラスの女子北川さんが不死川先生に駆け寄って行った
数学でわからないところがあるから教えてほしいとのことだった
私は遠目でその様子を見ていたのだけど、話は数学から不死川先生の話へ
「ねぇ、先生って彼女いないのー?」
「あ?数学の話じゃなかったのかよ」
「教えてくれたらもっと数学頑張るよー」
「んなこと知ってどうすんだァ」
心底ウザそうにする不死川先生に懲りずに質問攻めをする北川さん
「おーねーがぁい!教えて!」
拝むように手を合わせて教えてとお願いをする姿は可愛い女子高生の姿だと思う
私には真似ができない
「あ"ーったく...いるよ!」
「え!?いるの!?ショックぅ」
「なんだそりゃ」
呆れた先生は教科書を閉じて「じゃぁな」と言って教室を出て行ったのだけど、私は先生の言葉に目を丸くした
は?彼女いるの?
好きだとかなんとか言ってたよね?
彼女いないとか言ってたよね?
私は苛立って仕方がなかった
放課後私は足早に家に帰って鞄をベッドに叩きつける
「なによ!嘘ばっか!」
やっぱり男って信用できない!
私の気持ち返してよ!
その時スマホのメッセージの通知音が鳴った
苛つきながらスマホを手に取る
『今日早く帰れそうなんだが、家くるか?』
不死川先生からのメッセージ
私は問いただしてやると意気込んで先生の帰宅を待つ
『帰ったぞ』とメッセージが来て私は急いで不死川先生の家にむかった
強めに押したインターホンにすぐに玄関の鍵があいた
「なんだ?まだ制服だったのかよ」
不死川先生も帰ってきたばかりで仕事着のままだ
私は不機嫌丸出しで先生の顔を見る
「信用してたのに」
「何怒ってんだぁ?」
心当たりがないのか先生は眉間に皺を寄せて私を見ている
「とりあえず入れ」
そう言われてとりあえず初めての不死川先生の家の中に入った