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赤い糸

第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー


なんか流された気もする

不安げに不死川先生を見る
すると優しい手が頭に乗る

「まぁ...おまえのタイミングでいいからよぉ...」

キスしちまったけど、と小さく呟いて不死川先生は立つ

「そろそろ授業も終わるし宇髄が来ちまうぞ」

私も立ち上がる

「先生?」
「なんだぁ」
「私人を本当に好きになった事ないの...」
「あぁ」
「でも、先生といると楽しい...先生に触れられる所から温かくなってポカポカするの」
「ん」
「これって、好きなのかな?」
「俺もおまえと一緒だと楽しいぜ。触れたくなる。これは好きだと思ってるけどなぁ」

不死川先生と同じ気持ちなんだ
そう思うとこれが好きってことなんだと分かる
そりゃ小さい頃誰かを好きになったことはあるけど
それは足が速いから、とか みんなに優しいからとか...子供ながらの好きで本当の好きじゃない
前に付き合った人のこと嫌いじゃないけど、好きって気持ちもなかった
これが...

「私、先生が好き、なのかも...」
「俺は好きだぜ」

真っ直ぐな先生の言葉に私はつい目を背けてしまう

キーンコーンカーンコーン

授業の終わりを告げるチャイムが鳴る
私は顔を上げる

「宇髄先生ここに来るかな!?」
「あー多分くるぞ」
「逃げなきゃ!」

私は急いで出口に向かう

「先生!またお話ししてくださいね!」

笑顔を不死川先生に向けて私は屋上を後にした



「ったく、あの顔に俺はやられたんだよなぁ...」


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