第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー
不死川先生は大きなため息を吐いた
「おまえ、俺のこと好きだろ」
「好き、ですけど...」
「違ぇよ!ライクじゃねぇ」
「ラ、イク...ではないとなると?」
「言わせんなぁ」
ガシガシと頭を乱暴に撫でられる
「少なくとも俺はライクじゃねぇよ」
え
え?
その意味に私はブワッと赤くなる
「なに可愛い顔してんだよ」
「え...あ、え?その...」
「言葉になってねぇぞ」
ライクじゃない...てことは、ラブ?LOVE?
不死川先生が私に?
「もう一度聞きますけど...先生は教師で、私は生徒ですよ」
「...そうだなぁ」
「そんな...」
「そんな恋もあんだよ」
「私自分の気持ち、わかんなくて...」
「おまえもうちっと気持ちに素直になってみろよ」
不死川先生の手が私の頬に触れる
その手がやっぱり温かくて
気持ちがいい
「こうやって触れられること、嫌じゃねぇんだろ」
「はい」
先生の指が私の頬から滑って下唇に触れる
「ここは?」
「...嫌、じゃない、です」
私がそう言うと先生の顔が近付いてくる
おでこが重なって間近にある先生の顔
「ここに俺のが触れるのも、嫌じゃねぇか?」
「っ、嫌じゃない、かも...」
「かも?」
不死川先生の優しくも男の顔
耳まで赤くなってると思うと目をギュッと閉じた
「かも、なら触れられねぇなぁ」
「嫌じゃない...です」
「お利口さん」
そう言って不死川先生の唇が私の唇に触れた
優しいキス
初めてじゃないのにすごく心臓が煩くて
いけない事をしてるせいなのか
サボってこんなことしてるせいなのか
相手が...不死川先生だからなのか...
全部がそうさせてるみたいで、きゅっと締まる心臓が苦しい
「...やべぇな」
「ん...?」
唇が離れて不死川先生を見るとほんのり頬が赤い先生がいた
「おまえ、可愛いわ」
「!!」
もう一度唇を塞がれる
さっきまで吸ってたタバコの匂いが大人の男の人を感じさせる
おでこだけがくっついて離れる唇
「高田、自分の気持ち気付いたか?」
「私...先生のこと、好き、なのかな?」
「まだ疑問形かぁ」
「だってだって!わからないんだもん」
「キスされて嫌じゃねぇんだろ?」
「...うん」
「ならそうなんじゃねぇの?」
そう、なのかな...