第2章 高校2年の夏ー動く気持ちー
新しい高校にも慣れてきて桜はあっという間に散り、青葉を付け早くも暑い季節が近づいてきた
制服は春服から夏服に移行する人たちが増えてきた
私も夏服に朝は寒いからと薄手のカーディガンを羽織り今日も登校する
登校の途中で出会うクラスの友達と合流して学校を目指す
「おはようございます」
門で指導をしている冨岡先生に挨拶をして今日も事前に戻しておいたスカート丈を注意されることなく、やり過ごす
校舎に入ればまたスカート丈を調整する
「おいおい、それ校則違反だろぉ」
その声の元に目を向ければ私のスカート丈を注意する不死川先生がいた
「あ、おはようございます」
「おはよってスカート!」
「はは!不死川先生も指導するんですか?」
「俺も一応教師だからなぁ」
「先生は短いの嫌い?」
「んな事聞くな!」
私は先生と話せることが楽しくてつい笑顔になる
「じゃまた授業楽しみにしてまーす!」
不死川先生の注意を無視して私は友達のカナヲと一緒にクラスに向かった
「りほ、不死川先生と話してる時楽しそうね」
「え?そうかな?」
「うん、授業もみんなビクビクしてるのにりほは嬉しそうに先生みてるし」
「え!そんな顔してた!?」
カナヲに言われて私がそんな表情をしてるなんてと驚いた
いや、不死川先生と話すことは楽しいし、授業も嫌じゃない
なんで、皆んながビクビクしてるのか不思議なくらいだ
怒らせなければ先生は優しい人だと思う
そっか、顔に出てるのか...
もうちょっと引き締めなきゃ
私は数学の授業中顔がニヤけないように気をつけた
なのに不死川先生に呼び出されてしまった
「あの、なんでしょう?」
「今日の俺の授業つまらなかったか?」
なんて思いもしなかった質問をされるので私は拍子抜けした
「え?」
「おまえいつも楽しそうに俺の授業受けるのに今日はなんか、つまらなそうだったからよ」
「そんなことないですよ!数学結構好きだし、先生の授業もつまらないことないです!」
「そうか?確かに高田は数学の点数悪くねぇもんな」
先生に不意打ちで褒められて頬が緩む
「その顔」
「へ?」
「いつもその顔で授業うけてんだけどなぁ」
私いつもこんな緩んだ顔して受けてたの?