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赤い糸

第1章 高校2年の春ー転校生ー


新学期が始まり私は早速遅刻しそうになる
ここは中高一貫校で大きな体育館に大人数の生徒が集まっていた
私はあらかじめ聞かされていた2-Aのクラスに並んだ
周りは知らない人ばかり一番後ろで1人ただ立っているだけ
他の生徒は「また同じクラスだね」とか楽しそうに話してる
チラチラと転校生である私に向けられる視線が痛かったので下をずっと向いていた

始業式も終わり教室に戻る
私は担任の煉獄先生から呼び止められ「後で紹介するから」と伝えられて生徒の流れに乗らず職員室に連れてこられた

煉獄先生が準備している間暇だったので職員室を見渡すと見たことのある銀髪の男の人
先生にしては派手な髪色だし襟も開襟してるしあの特徴的な顔の傷...私は思い出した
春休み中に女の人泣かせてた人だと
まさかうちの学校の先生だなんて思いもしなかった
しかも同じマンション
こんなことってあるの!?とその先生に釘付けになっていると「高田」と呼ばれる

「そろそろ教室に行くぞ」
「はい」

あちらは私に目もくれず、ていうかあの日すれ違っただけだから私のことなんて覚えてないだろうけど...
職員室を後にした




「皆んな転校生の高田りほだ!よろしく頼むぞ!」

先生の大きな声は隣のクラスまで響いてるんじゃないかってくらいで、私はそんな先生の声のおかげでそこまで緊張することなく挨拶をすることができた

席に座ると前の席の男の子が優しい笑顔で振り向く

「俺、竈門炭治郎!なにか分からないことあったら遠慮なく聞いて」
「ありがとう」

凄く優しい声色で私に笑顔を向けてくれる

休み時間になると私の周りに生徒が集まる

「どこからきたの」とか沢山質問されて私は若干パニックになってしまう

今日は3限までしか授業はなく明日から本格的に授業が始まるらしい
誰と帰る訳でもなく早足で帰宅すると確認の為に教科書を開いた
年度始めなので元々いた田舎の高校との授業の差はさほどないみたいで安心して教科書を閉じた

今日も母は仕事でおらず、兄も朝からバイトに出かけている
一人分の昼食を作る気も起きないので私は目の前のコンビニで弁当を買って適当に済ませた

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