第1章 高校2年の春ー転校生ー
ー出会いは最悪だった
私は親の離婚により母と一緒に兄の大学がある都会に引越して近所にある高校にこの春転入することになった
別に親が離婚するのは構わない
だって、もともと父親は家に帰ってこなかったし帰ってきたかと思えば浮気だのなんだので喧嘩ばっか聞かされて、家で勉強する気も起きない
ただ、高校が変わるのは少し、いやだいぶ気持ちが落ち着かない
仲の良かった友達とも離れまた新しい学校で一からスタートなんて
みんなの輪に入れる自信がない
この春からの新生活を楽しみだなんておもえなかった
春休みに入るとすぐに引っ越しをした
部屋もだいぶ片付き暇な毎日を過ごしている
スマホを開くと『そっちはどんな感じ?』なんて前の学校の友達からメールがきてて私は『都会は夜も明るいよ』と返信を打った
母は朝早くから遅くまで仕事をして私の学費を稼いできてくれる
兄もバイトで夜はいない
家事は私がすることになっていて夕飯を作ってる途中で気がつく
「あ、醤油がないや」
仕方がないと部屋着のまま目の前のコンビニに買いに出る
無事醤油を買えた私はコンビニからでると何やら女の人の怒鳴り声が聞こえてきた
「あんた浮気してたのね!」
なんて聞こえてくるもんだから興味本位でそちらに目が向いてしまう
「そもそも付き合ってねぇだろぉがよ」
「ひどい!」
ーパチン
修羅場を目撃してしまった
女の人は泣きながら去っていく
頬を叩かれた男の人は舌打ちをしてこちらに向かってきた
私は目を合わせないように下を向く
男の人はどうやらタバコを吸いにきたようでコンビニの前の灰皿横にヤンキー座りでタバコに火をつけている
いかにも人相が悪い男の人はイライラしているのかすぐにタバコを消して歩き始めたと思ったら目の前のマンションに入っていった
待って待って待って!
そこ私の家があるマンションなんだけど...
まさか同じマンションに住んでるなんて
さっきの女の人との会話から読み取れば男の人は遊びだったようでそれに腹を立てた女の人に叩かれた、ということになるが
男ってどいつもこいつもろくでもないんだな、と
高2になる私は思った