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赤い糸

第1章 高校2年の春ー転校生ー


「これうちの店のパン!食べて!」

でも炭治郎くんは違うと思う
この人の優しさは根っからだと思う
本当に裏表ないのがわかる

「ありがとぉ」
「炭治郎ー俺のパンはねぇのか」
「伊之助のもあるよ」

そう言って笑顔で嘴平くんにもパンをあげてる炭治郎くんを見ると心穏やかになる
けど、カナヲちゃんは炭治郎くんのことが好きみたい
炭治郎くんもカナヲちゃんを見る目が他の人とは違い凄く愛おしそうにしてる
この2人は本当に好きなんだなってのが伝わってくる
てゆーか付き合えばいいのにって思うけど
周りはそんな2人のこと知ってるから手を出すことはない
私もそうだ
いくら優しいからって炭治郎くんを好きになることはない

私はやっぱり誰かを好きになることはないのかなぁ


次は数学の授業だ
皆んな予鈴が鳴ったらすぐに席についてる
そんだけ不死川先生が怖いってことだけど

「よーし始めるぞぉ」

不死川先生が教室に入ってきて教室はしーんとしてる
あれ?なんでか今、私睨まれた

さっきあんな事言ったからかな?
でも、いつものように授業を進める不死川先生
きっと気のせいだと思った

ーキーンコーンカーンコーン

「今日は課題出すから明日までに終わらせてくるように」
「えーー」
「なんか文句あんのかぁ」
「ないです!」

生徒が文句を言えば睨みを効かせる先生
教室から出ようとする不死川先生は立ち止まり私の方を見る
私も先生の背中を目で追いかけていたので目が合う

「高田昼休み準備室こい」
「あ、はい」

また?パシリでもされるのかな
何故か呼び出された私は昼休みまでそわそわしていた


昼休みになって弁当を手に数学準備室に向かう

「失礼します...」

そこには不死川先生しかいない

「なに弁当持ってきてんだよ」
「いや、ついでにここで食べようかなって」
「まぁいい座れぇ」

言われるがまま私は先生の隣の椅子に腰掛ける

「おまえ今朝男は信用ならねぇって言ったよな」
「言いましたけど」
「なんでだ?」

その事か...

「そんなことで呼び出したんですか?」
「いけねぇかよ」
「いえ...まぁ、なんでかって言われるとウチの家庭事情のせい、ですかね?」
「そうなのか?」
「ウチ親が離婚して転校してきたんですけど、その離婚の理由が父親の浮気でして」



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