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赤い糸

第1章 高校2年の春ー転校生ー


「兄も女の人を取っ替え引っ替えして遊んでて、それ見てやっぱり男の人は信用ならんと思ってるんですよ」
「そんな家庭環境じゃそう思うのも仕方ねぇのかもな」

不死川先生は腕を組み私を見る
私は喋りながら弁当を広げて話を続ける

「愛なんて所詮その時だけですよ。好きだの何だの言って浮かれてるだけ。ちょっと目移りすればすぐ浮気するんだ男の人は」
「俺は浮気はしねぇぞ」
「でも、この前女の人泣かせてた」
「だーかーらーあれは違うって言ってんだろぉ」

ミートボールを頬張り不死川先生を横目で見る

「結局信用できないんですよ」

不死川先生が悩んでるなんて知らずに私は黙々とお弁当を食べる
先生は頭を抱えながらテストの採点をしている
ちらっと覗いたら嘴平くん3点って...一問しか当たってないじゃん
てゆーか字汚くて読めないんじゃない!?
すると不死川先生は採点をしながら話しかけてきた

「おまえさー、どうしたら信用できるんだぁ」
「んー本当の愛ってのに出会えたら、ですかね?」
「小っ恥ずかしいこと言うなぁ」
「そんなものでもないと信用できないんですよ。てゆーか先生こそ、本当に好きになった事とかあるんですか?」
「俺ぇ!?」

そう言うと不死川先生は驚いたようにテストから目を離し私に目を向けた

「身近にそんな人いないから、参考までに」
「俺は...いたけどなぁ...別れちまったよ」

へぇーいたんだ
私は不死川先生と目を合わせる
どこか寂しそうな表情でまだ未練でもあるのかなぁって思ってしまう
不死川先生をそんな風にさせる人ってどんな人なんだろうか
私もそんな恋ができるんだろうか


「おまえもまだ高2だからな、そのうちちゃんと好きになる奴ができるだろぉよ」

不死川先生は私の頭を優しく撫でてくれた
大きくて優しい手だな、なんて思った


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