第5章 大人の事情※
「……博士」「なんだい?」
「博士は、この島のポケモンには
危害を加えませんよね?
私は人間だけど、ゲンガーには」
「……なるほど、そういう事にはなるかな」
アッサリとした答えだった。
私がどちらを選ぼうと、
きっと大した問題にはならないと
考えているんだろう。
「私から生まれた子供は、
貴方がいうポケモンに入りますか」
「……はぁ!君って本当にいいねえ!
そっちだったのか、なるほどね。
そうじゃなかったとしても、
僕は別に君たち人間を積極的に
排除したい訳じゃない。
僕が君たちを例えどうにかしたいと
思ってもその頃には君の方が有利な立場に
いるだろうから安心してくれていい」
博士はあっけらかんと笑った。
まるでどこかの地方の研究者のように
自分がどうなるかなど二の次なのだ。