第5章 大人の事情※
「君に明るい話と嫌な話がある。
これはどちらもセットみたいなものでね、
聞くか聞かないかしか選べない。
僕がどうこうしようって話ではない。
ただ、聞かないなら僕も君の問題について
責任者としてどうにかしないとね」
「それ、結局関わるつもりですよね」
「じゃあ、聞くかい?」
博士は肩をすくめると話し出した。
「人間は昔、ポケモンと一つだった。
……って話を聞いたことがないかな」
博士がいうには人間もポケモンも
今現在は片割れでしかなく、
人間と人間、人間とポケモン、
ポケモンとポケモンのペアがある。
この引き剥がされた片割れを探し、
人間もポケモンもさ迷うという神話だ。
話が見えてこないおとぎ話だ。
そこにはポケモンが暮らす山と
人間が暮らす村があり、
どちらでも出入りする者は山と村の
2つの姿をもっていて自在に変わり、
それが今のポケモントレーナーにあたり
ポケモンと人間が1つだった
ペアだと言うのだ。