第5章 大人の事情※
「君が感じている愛情は、
なにをゴールとしているんだろうね」
「どういう事ですか」
「ポケモンと1つになる……つまり、
自分がポケモンになること。
または人間としてポケモンの子を
成したいと考えているか。
それともただの性的な趣向かだよ」
ああ、研究資料を見る目だ。
異様に輝いていて絶対にこの島から
手放そうとしない強い執着心を感じる。
思えばこの博士の執着心から
私とゲンガーは未だフロレオ島にいるのだ。
……幸か、不幸か。
「……私には分かりません。
ただ、ゲンガーが好きなだけですから」
「ただ好きなだけで性処理はしないよ」
いちいち癪にさわる言い方をする。
……煽られているんだろうか、
だとしたら私が何か
口を滑らせるのを待っている……?
「さっき言った3つのうち、
1つ目と2つ目に関しては前例があるんだ」
「え……」