第1章 お前のヒーロー☆
.
少しして、校門前に着いた俺は
周りを見渡した。
あんず!………と、羽風?
そしてあんずが泣いているのを
見てすぐに駆け寄った。
「あんず!どうしたんだ!?」
言うや否や、あんずが俺に抱きついてきた。
羽風はヒューと口笛を吹いた後、口を開いた。
「さっき言ってた変質者、あんずちゃんに
付き纏っててさ、危なそうだったから
俺がさっき追い返したところ。一応警察に
電話もするけど…大丈夫だよ〜あんずちゃん。
もりっちも来たし、怖かったよね…」
電話を切ってすぐ来たつもりだったが
少しの時間でそんな事が起きていたなんて…
「……あんず、すまない。
羽風もありがとう。羽風がいなければ…」
「いーのいーの、あんずちゃんが
無事だったからそれで良し!
もりっち、あんずちゃんの事お願いね。
その役目はもりっちにしか出来ないんだから」
「…っう、か、薫さ…すみませ、
千秋さんもッ、……っ」
「大丈夫だあんず、ゆっくり深呼吸して」
「そうそう、気にしないであんずちゃん。
じゃあ俺は邪魔者そうだから帰るね〜!
もりっちまた明日。あんずちゃんもまたね」
そう言って羽風が帰っていった。
俺はあんずが落ち着くまで、背中を
撫でてやる事しか出来なかった。
.