第1章 お前のヒーロー☆
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授業が終わり、さっさと身支度を済ませた。
いつもは何も言ってこないのに
それを見ていた瀬名に絡まれる。
「な〜に〜、あきくん、もう帰るの?」
「せなっち、邪魔しちゃダメだよ。
あんずちゃんと帰るんだってさ」
「オレの妹、凄い可愛いよね」
「瀬名の妹では無いが確かに可愛い」
「お兄ちゃんって言われてるから妹だよ」
「せなっちそれは暴論」
話が長くなる奴らを撒きつつ、あんずの
クラスに来たが、パッと見た所いない。
たまたま明星と目が合った。
「明星ー!あんずはいるかー?」
「………ちーちゃん先輩うるさ過ぎ。
ただでさえ暑苦しいのに…」
頭で考えるより、言葉が出ていた。
ギンギンと頭に言葉が響いたらしい
明星は少し気怠げな声で答えて来た。
「てか、ちーちゃん先輩携帯見てない?
あんず、今日予定無いからちーちゃん先輩と
帰りたいなーって言ってたよ」
そう言われてすぐポケットに入っていた
携帯を見る。と、1件の通知!
今日は珍しく、携帯は見ずすぐに
教室を出て来た事を思い出した。
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