第1章 お前のヒーロー☆
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甘い声、愛らしい姿の彼女。
視覚も聴覚も感覚も、限界だった。
「…はっ、あんず、好きだ」
「ん、ん゛っ、わた、し…も、好き、♡」
「イっても、いいか?」
「ぁ、ああ゛あ、イく、イ…————♡♡」
「………ッあ、」
中がグッと締まった。
腕の中で小さく震える彼女を抱きしめて。
今、この瞬間を噛み締めた。
お互い少し落ち着いて
気づいたら俺の腕はあんずの枕に
されていて、そっぽを向かれていた。
「あんず、こっちを向いてくれ」
「………恥ずかし過ぎて無理です」
「何が恥ずかしいんだ?とても可愛かったぞ」
「もう…忘れてください……」
ピロートークには程遠い会話。
でもコレが心地よかった。
少し喋っていたら隣から規則正しい
寝息が聞こえて来た。
皆のプロデューサーと言えど
1人の女の子だ。
今日みたいな事が無いように。
今度はちゃんと、俺が守ろう。
俺がお前のヒーローになろう。
「………愛してる、あんず」
聞こえていない言葉を吐き、
首筋にキスを落とした。
………next?