第1章 お前のヒーロー☆
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響くリップ音に混ざる吐息。
目の前にいる彼女が可愛くて色っぽくて、
「…ッは、千秋、さん、♡」
こんな事を言われたら我慢なんて出来ない。
ぐつぐつと自分の中で煮えたぎる欲望。
全てをぶつけたいと思ってしまう。
唇から首へ、少しずつ口付けをする。
その度に聞こえる甘い声。
「………あんず、シたい」
「もう、そのつもりでしたよね?」
「まあ、さっきもそんな事言ったしな」
ヂッ、と鎖骨に痕を残す。
皆が付き合っているのを知っていても
あんずを狙ってる奴がたくさんいるのは
知っているから、いつもつけてしまう。
流石に見える所には付けられないが。
「ここならいいよな?」
「…つけてから言わないでください」
「ハハ、すまん!」
もじもじと太腿を擦るあんずを見て
俺の中の何かが昂ってしまう。
下を少し触れば、恥ずかしそうに
可愛い声を上げる。
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