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第6章 「レディース総長とロン毛隊長」
「………」
ひょっこり現れた男は只者ではない。
空気圧だけでなく喧嘩や乱闘を知っている眼つき。
木刀を握ってないもう一つの手はポケットに突っ込んでおり、頭に血がのぼった迦羅不瑠の総長は振り返りざまに吼え出した。
「あぁ!?なんだテメッ──」
目があった瞬間、迦羅不瑠の総長は真っ青になった。
据えた男の眼がもう一度語る。
「俺は通りすがりの者。なあ…その辺にしねぇ?」
女相手に手を出す野郎なのかは不明だが、迦羅不瑠の連中は負け台詞を吐いてバイクの音を鳴らして散っていく。
窮地は脱したか。
「立てるか?」
男は薄いサンダルを履いた足でしゃがみ込み、殴られた顔を覗き込んでくる。
「………がと」
「どーいたしましてっ!」
助けてもらったらまずは礼だ。
全身が痛くて消え去りそうな声だったが男の耳にしっかり届いており、ニカッと歯を出して笑うとそこそこイイ男だと気付き、男性免疫の少ないはすぐ目を逸らした。
「お前、グループは?」
「………」
その言葉で只者じゃない確率を引き上げる。
この男も"同類"かも知れないと。
「アンタから名乗れよ」
「そーだな、悪ィ。俺は ●番隊隊長、 」
「!?!?!?」
聞いたことがあるというか有名だ。
地元じゃ知らない奴はいない、 は規模数百人もいる大規模暴走族集団。
そこの隊長と、まさかこんな所で…。
「 …」
「聞いたことねぇな」
「5人しかいないグループだから」
「名前は?」
「だから 」
「自分の、名前」
「………。」
それが との出会い。
の現夫であり、ハジメての男である。