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第5章 「まともなお兄ちゃんだと思っていた性癖異常について」


「次触ったらマジで殺す」

 理性のある は殺害予告をしてきた。
 今までは妹の気紛れな遊び。

 だって の方から触れてきてない。
 触れてきたのは頭だけ。
 あれはどう考えても兄としての行動だった。

「…枯れてない」

「お盛んなんだよ。シャワー使わせろ」

「………」

 一歩引くと は泡立ったシャンプーを流した。
 は手拭いでボディーソープを泡立てる。

「背中洗っても殺すに値する?」

「………」

「ねえ」

「ズルよな~ホント。背中はいいよ。ありがと」

「お兄ちゃんチョロい」

「マジで殺す」

「お口わる~い」

「悪くもなるわ、クソッタレ」

 椅子に座っている の後ろでしゃがんで満遍なく洗う。
 これがお兄ちゃんの背中。
 裸になっても格好良い。

「あれ…?私なに言ってんだろ」

「なんか言ったか?」

「っえ。ううん、何でも」

 心の声が漏れたかと思ってしまった。
 やっぱり の精液の匂いを嗅いでから可笑しい。
 洗い流しちゃったけどもっとちゃんと確かめれば良かった。

 だって、あんなに…。

「おい。そこもう腕なんだけど」

「お、お兄ちゃん結構鍛えてるんだなぁって思って」
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