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第5章 「まともなお兄ちゃんだと思っていた性癖異常について」


 はあの一件を忘れ、足を向けて座っていると が小指を掴んでちょっかいを出してきた。

「なに」

「痛い?」

「痛くない」

「これは?」

「痛くない」

「若いな。これは?」

「痛くない。そこなんのツボ?」

「知らん」

「知らんのかい」

「うぉっ、凶暴だな…」

 ドスドスと足蹴りをしてたら凶暴だって言ってきた。
 そんなに強く蹴ってないのに。

「足の裏やわいな」

「きもい」

「お前それ口癖な」

「きーもーいー」

「やきいも」

「焼き芋はキモくない」

「俺は?」

「焼き芋以下」

「それどういう基準?」

「体力あと1回復」

「ん」

 大事なゲームで兄の相手どころじゃない。
 それに何だか蹴り心地がいい。
 足の裏を付けていた の太腿をグイグイ押した。

「なに喧嘩してるの。もう少しでご飯できるわよ」

「だってお兄ちゃんが先に仕掛けてきた」

「お兄ちゃんもう止めてるでしょ」

「私悪くないもん」

「携帯そろそろ止めなさい。お父さんとお母さんちょっと出掛けてくるから」

「えー?」

「言ったでしょ。アンタ達のご飯作ったらちょっと出掛けてくるって。喧嘩してないで仲良くして頂戴。明日のお昼はパスタでも何でも好きなの作って食べていいから。頼んだわよ?」

「はぁーい」

 そう言えば父が帰宅してからどこか行くと言っていた気がする。
 通りで母がおめかししてたはずだ。
 謎が解けたところで帰宅した父と母は家を後にしたのだった。
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