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第5章 「まともなお兄ちゃんだと思っていた性癖異常について」


 慌てて画面を閉じた。

「おまッ…ったく、そんな乱暴に閉じるやつがいるか。大事なレポートも入ってんだぞ」

  は声を荒立てて怒ったりしない。
 コンビニ袋を持ったまま呆れた様子で部屋に入ってきた。

「ご…ごめん…」

「別に怒っちゃいねえけど。その程度の衝撃で壊れても困るしな。で、その手はなに」

「………」

 閉じたパソコンを開かれてはマズい。
 ブラウザを閉じていない。
 このまま返すわけには絶対いかない。

「ちょっと課題調べるのに使ってて…借りててもいい?」

 兄的にも知られたくない性癖は一つや二つあるはず。
 妹的にはアダルトサイトを覗いてたのを知られたくない。
 そしてここは暗黙のルールが必須。

 だからどうにかして の注意を逸らさなければ。

「別に借りててもいいけど課題ってなに?あー…これ?いまこんなんやってるんだ」

「明日までに提出しなきゃならなくて」

「ふーん。あ、これ、お前のジュース」

「ありがと」

  はコンビニ行くついでにの欲しいものを聞いて出て行った。
 このジュースはのお気に入り。

 ヤル気を出すために即座に開封した。
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