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第1章 「お隣りの整体院」
「成程。同世代の俺にしょっちゅうデカい態度取ってるのは嘗めてたんだな」
「んん」
肩の施行が終わると背中に向かって指圧が加わる。
凝ったところを押されると気持ち良くて、離れるとまた次が恋しくなる。
「別に嘗めてないし…」
「じゃあ慣れ親しんでるってことか?」
「それが一番近い」
「それも切ないなぁ…。彼氏作れよ」
親戚が集まった時にいわれる台詞を繰り返され、微妙にイラっとしてきた。
「だったら紹介してよ」
「俺にそんなアテがあると」
「思わないけど」
「出会い系とかやってみれば?」
「アンタにそっくりそのまま返します」
「俺は暫くいらないし」
「…いたの?」
「もう何年も前になるか。俺は良いんだって。仕事が恋人」
「さむっ」
「いまの発言、全職人を敵に回したぞ」
「んなわけあるか」
の心地のよいゆっくりとした話し方。
男らしい低い声にもやすらぎを感じ、整体の気持ち良さとともに意識がウトウトしてきた。
「友達とかいないの?紹介してくれそうな友達」
「そういう話しないし…。ってゆうかしつこい」
「しつこく言わせろ」
「え?」
少し強めの声に不覚にもドキッとした。