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第1章 「お隣りの整体院」
「うっ…」
ツボを強く押されて、じんわりと火照ってくる体。
体はポカポカするのに心は切なく疼く。
「こっちに戻ってそろそろ一年か…?」
答えたくない質問を黙っていると別の話題を振ってきて、少し気持ちが軽くなった。
「6月でちょうど一年」
「早いな。もうそんなに経つのか」
は前の職場でなにか問題があったわけではなかったが私生活に難あり、去年、実家から通える職場へと転社してきたのだ。
「そーいうお前もおばさん大好きだよな」
「マザコンじゃない」
「どうだか。あっちで彼氏でもなんでも作ればよかったのに」
「………」
吐き捨てるような台詞には目を瞑った。
いま体を触れているこの男は、仕事中だけであって心の中に触れるのは禁じられている。
「なに。図星?」
「図星じゃない」
「だったら作れよ彼氏。人生変わるぞ~」
「なにを根拠に」
「気になる相手とかいないの?」
「いるわけないでしょ」
「職場は?」
「いない」
「若い子いないの?」
「30歳くらいの人いるけど…なんか怖い」
介護施設で働く20代のが一番の若手。
その次に挙がった茶髪に染めた若い男は、なぜかいつも赤い服を着ていた。