第2章 「先輩♀と同僚♂の不倫現場に遭遇した結果」

「はあっ…うぅ…」

　男に触られるのは初めてではなかった。
　女を見るような熱い視線に煽られ、体に火が灯っていく。

「…キスしていい？」

「だ、だめ…」

「なんで？」

「なんでって…ダメなものはだめ」

「初めて？」

「違うけど…」

「けどなに。本命とじゃなきゃ嫌？」

「…ん…」

　キスできそうな間合い。
　どこもかしこもいいニオイを漂わせて気分に酔って上手く抵抗する術を見い出せない。

「お前とキスしたい」

　鼻の横に…口の端っこに口付けを落とされる。

「目ェつぶって」

「………」

　優しく女扱いしてくる手のぬくもり。
　甘い声を出して瞼がうっとり閉じていく。

　あんなことがあって、こんな場所で口封じ料を取られるみたいに抱かれようとしている。

「の唇、僕…好きだよ」

「んぅ…」

　見詰められて言われると告白されている気分になった。
　今度は深く口付けるように重なる。

ちゅ…　ちゅっ…

　脱がされた肌を撫でられて乳房を包み込む。
　ツンツンと硬く尖がった乳首を弾かれて、ますます気分を煽られた。

「あ…ふぅ…」

「…」

「はあ…んっ、ぅ、ふぁ…」

　ヌルリと入ってきた舌。
　熱い舌に溺れていると上を弄っていた手は股のあいだに滑り込んでいった。