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第13章 「溺愛オナペット」



「仕事終わったら連絡してね。すぐ迎えに行くから」

「ありがとう」

「いってらっしゃい」

「い、ってきます…」

 ニコッとお見送りしてくれる 。
 それに朝はやらかしてしまった。
 仕事の服を持ってきたは良いが履物まで頭が回らなかった。
 つい履き慣れたシューズを履いてしまったのだ。

「元カノさんのパンプスがあって助かった…」

  は捨てるに捨てられなかったブランド物のパンプスを引っ張り出してきた。
 サイズはぴったり。
 元カノにプレゼントしたもので履き慣らした感じもなく、捨てるものだからとつい貰ってしまった。

「スマホどうなってるんだろ…」

 のスマホは取り換えて、今は が預かっているということになる。
 やり取りは がすると言っていた。
 本人に危険が及ばないように装って、今は誤魔化せているという連絡が昼頃に入った。

 何事がないのがイチバン。

  のお迎えの車がきて、楽しみにしていたご褒美お風呂タイムがやって来た。

「いい匂い。うわぁー…!」

「泡風呂好き?」

「うんっ!はじめて入るかも」

「気に入ってくれてよかった。。これに着替えて?」

「え……?」

  が出したのはネイビーの水着。
 お風呂に入るのになぜ水着に着替えなければと首を傾げる。

「折角だからさ、一緒に入ろ?」

 性的な意味を含まれているのだろうか。
 ごく一般的な水着だが手を出さないという の言葉を安易に信じて良いのか、躊躇いを覚える。

「狭いプールだと思ってさ。それでも無理そう?」

「えっ、あ…ううん!は…入ろ!」

「やった。じゃあ俺が先に入るからさ、呼んだら入ってきて?」

「う…うん。分かった」

 これは自分へのご褒美。
 それを二人で楽しむだけだ。
  が着替え終わるのを心臓を抑えながら待ち、「いいよー」という声が聞こえて壁一枚隔てる向こう側で下着を下ろしていった。
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