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第13章 「溺愛オナペット」


  は面白がって撮っていた。
 ネットにばら撒かれたりしたら社会的に死亡する。

「。 と別れたいんだろ?」

「………」

「俺、あの時言ったよな?別れるなら絶対曲げない強い意志を持たなきゃならない、って。アイツにしたらただの憐れな脅しなんだ。こっちは何を言われても冷静に毅然とした態度で対応する。優しさなんて見せちゃいけない。逆上して攻撃的になったらそれこそ思う壺だ。感情を殺して接する。……できるか?」

 もっと早くに気付いてればこんなことにはならなかった。
 自分の甘い考えが状態を更に悪化して行った。
 親友にまで迷惑を掛けたが、 が何度も何度も力強い言葉を投げ掛けてくれる。

「うん。できる」

「よし、いい子だ。よく言ったぞ。は遠慮せず俺に甘えろ。不審な点があったらすぐ俺に言ってくれ。何があってからじゃ遅い。どんなヘンなことされてたって俺はのことが好きだ。でも今はアイツの彼女だから手は出さない。ちゃんと別れたら俺の恋人になって、あわよくば結婚したい」

「えっ……け、け、け」

 すごく不安だったのに頭の中にベルの音や教会、ウエディングドレスが浮かんできてしまった。
 頭の上に天使が飛び回り、発狂しそうになる。

「あっ、あんまり可愛い顔すんなよっ!抱き付いたら俺、嘘吐けないし、手ェ出したら俺達一緒に悪者になっちゃうからな。まだ正義の味方でいたいから浮気はしない。今の告白は聞かなかったことにしろ」

「う、うん…。ワカッタ」

「じゃ、じゃあ…本題に戻って。暫くあいつと距離を取る。いきなりこっちが本題を切り出すと何してくるか分かんないからな。まずは一週間様子をみる。それと俺に携帯預けてくれないか?ほかの子と連絡取れないけど、家に帰ったら俺の予備の携帯渡すから」

「うん。会社の子しかいないから大丈夫だよ」

「そっか。決めておくことはまずそれくらいかな。家帰ったらちゃんと整理しよ。まず荷物まとめて連絡な」

「うん。 くん。色々助けてくれてありがと。私、絶対に負けないから」

「おう。二人で一緒に頑張ろうな!」

  のおかげでようやく明るい兆しが見えてきた。
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