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第13章 「溺愛オナペット」
「あっという間だったね。どう?初めての水上バイクの感想は」
水上バイクを返して、炎天下の下を並んで歩く。
気温はかなり高くなってきて飲み物を買いに行こうということになった。
「すごく綺麗だった!最後のグルグル~はちょっとこわかったけど楽しかった!」
「はは…あれはちょっとやり過ぎかな~とは思ったんだけど、楽しんでもらえてよかった」
「運転上手だね。いつ免許取ったの?」
「あー…いつ頃だろ。とにかく運動できなくて乗り物だけは点数稼ごうって思ってたからなぁ。たぶん高2の夏」
「すご。もうその時から色んな免許取ってたの?」
「一時期あだ名がガリ勉くんだったからな。眼鏡してないのに」
「 くん眼鏡に合わなそう」
「えー?そう?あそこにグラサンある。ちょっと見に行こうよ」
海の家に連ねた売店に立ち寄り、少しハシャイだ様子でサングラスを装着する 。
「どう?似合ってる?」
「うん。カッコイイ」
「じゃあこれは?」
「うん。カッコイイ」
「じゃあこれは?」
「フ。ちょっとヘン…かな?」
「いま鼻で笑ったろ。聞こえたぞ」
「あまりにも浮いてる気がして…」
「いかにもパリピっぽいもんな。がかけてみて?」
「わ、わたし?」
絶対似合わないと思いつつ掛けてみるもやっぱり似合わない。
そして笑われ、また違うサングラスを手渡される。
「こっちの方がしっくりくるな」
「うん。さっきよりは断然」
「グラサンはいらないけど帽子買ってく?それよりも喉乾いたな。熱中症になりそう」
「先にそっち行こう。でもカキ氷もいいなぁ」
「みんな美味そうに食ってるよな。俺は飲み物にするけど飲み物なら何にするつもりだった?」
「うーん…やっぱりアレかな。カシスオレンジ」
「よし。俺がカシスオレンジ買ってくるから、カキ氷好きなの選んできなよ。席とって待ってるからさ」
「え、いいの?」
「俺もカシスオレンジ飲みたかったし。じゃあ後で合流な」
「うん」
カキ氷も何にしようか迷ったが、一番最初に決めたものを選び、 が待つ席に座った。