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第13章 「溺愛オナペット」


 波に揺られながら沖向かって走っていくバイク。
 後ろから の肌やぬくもり、安心感を感じて前の景色や水面下に視線を動かす。

「こわい?」

「け、結構こわいかも。もう足つけない場所だよね」

「ああ、透けてみえるけどかなり深い。水、綺麗だね」

「うん。すっごく綺麗。透明度ハンパない」

「ほらあそこみて。魚の大群だと思う」

「えっどこどこ?」

「あーっと、ほらあそこ。動いてる」

「えーわかんない。波が…うぉぉ」

 青く透き通る南国を感じられる海。
 日差しもよく、海のサンゴ礁が水面下で踊り、優雅に泳ぐ魚をみつけると感動する。

「うわぁ…きれい。ねえ、鮫とかいないよね?」

「ジョーズ?」

「うん。人食い鮫」

「今のところ目撃情報は入ってないから心配ないけど事実、噂はあるからな。人食い鮫じゃなくても攻撃してくる鮫もいるから…って、震えてる?」

「い…いや、大丈夫。そんな都合よく出ないだろうし。私美味しくないし」

「は一番美味そうだと思う」

「え゛っ」

「あの中だったらが真っ先に食われるな」

「泳げないから…?」

「それもあるけど脂乗ってて美味そうだし、柔らかくて弾力があって…マグロもそっちの方が美味しいだろ?」

「私は赤身かな。あっても中トロ」

「でもサーモンの方が好き?」

「うん。サーモンが一番。だけどマグロから離れてない?」

「脂身あった方が美味いだろ?」

「うん」

「じゃあが一番美味いな。俺だったら選ぶし」

「…?」

 あの中ということは男女六人のうちで数えられた。
 真っ先に脂乗ってて美味そうだからと言われたものの、が悩んでいた心境にもあまりにも似ていて嬉しい話ではなかった。

「 くんもやっぱり…胸が大きい子が好きなの?」
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