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第13章 「溺愛オナペット」


 泳げないにとってライフジャケットは命綱。
 しっかり締めて固定しなければ意味がない。

「上、四か所とめた?」

「うん。これで脱げないと思うけど」

「ココも忘れてる。股、失礼するよ」

「ぁわっ」

「ごめん。ヘンなとこ触った?」

「あ、ううん、大丈夫。ありがと」

 どうやら股ベルトもあったようで危うく危険にさらす所だった。
 カチッ、カチッと止めてくれてベルトの長さも調整してくれる。

「一回しゃがんでみて?股に食い込んだりしてない?」

「あっ、う~ん…。ちょっとキツイかも」

「あんまり緩めすぎても怖い思いするからな。こんくらいの隙間があれば良いと思うんだけど」

「へっ?!」

「ごめん。またヘンなとこ触った?」

「う、ううんっ、大丈夫…!」

「そっか。それで良いなら早速バイク乗りに行こうか」

 並んで歩くのは気が引けて、 の後ろについて行くと係の人がライフジャケットをもう一度ちゃんと確認してくれる。
 水上バイクは思ったより大きかった。
 こんなに近くで見るのは初めてでドキドキする。

「先に乗ってくれる?」

「わっ…私が前になるの?」

「後ろから掴まってるより、俺が後ろにいた方がこわくないと思ったんだけど…どうする?」

「あ、なら…そっちの方がいいかも。でも運転しづらくないかな」

「それくらい平気。オートバイは無理だけど手さえ届けば問題ない。後ろから乗った方がバランス取れるんだ。支えてるから頑張って」

「うん。ありがと」

 オートバイも水上バイクも跨るのは初めて。
  が腰のあたりをしっかり支えてくれ、なんとか無事に跨ることができた。
 あとから も乗り込み、手慣れた様子でエンジンをかけていく。

「け、けっこう揺れるね…」

「大丈夫。俺の腕にひじ掛け感覚で掴まってて。水面、全周、同乗者よーし。ゆっくり走らせていくね」

「お…願いします」

ブゥゥウーン…
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