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第2章 「先輩♀と同僚♂の不倫現場に遭遇した結果」


「で。なんで連れて来られたか分かる?」

 腕組みをして個室の入り口を塞がれた。
 はそれとなく予感はしていた。

 やはりアレは見間違えではないと確信に変わる。

「……止めなよ」

「なにが」

「なにがって分かってるでしょ。だから私にこんな真似してる」

「一緒にいたの友達か?」

「そうだけど…言ってないわよ。言えるわけないじゃん」

 告げ口なんてするつもりはない。
 お墓に持っていくって決めたんだから。

「言っとくけど誰にも言わないから安心して。私も早く忘れたいし、先輩のこと傷付けたくないし、先輩のためにもう手を出さないで」

「なんで僕が責められてんの?」

「え?」

「だからなんでそういう理屈になんの、なんで?」

 なんで?と言われても…。
 そうだと思ったから口にした。

「……えっ?」

「えっ?なのはこっち何だけど。お前ってバカ?」

「バカ…って、アンタに言われたくないわよ!!じゃあなんで、なんで…っ、なん…で…っ」

 その先の真実を知りたくない。
 それを認めたらそういうことになってしまう。

 憧れていた先輩は"女"になってすり寄った。

「…っ」

 一番考えたくなかった。
 だって、憧れていた先輩だったから。
 そんな一面を持っていただなんて認めなくなかったのに。
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