第11章 「オレは男だ!!～最初で最後の俺の女になってくれ～」

　ギシッと弾むベッド。
　雰囲気に乗り切れない原因は自分だと言った　は、覆い被さるようにキスをしてきた。

「んンッ」

　体の芯は固かったけど乱暴じゃないキス。
　ひとつひとつ丁寧に深く口付けてきて、どんどん艶めかしく変化していく。

「ぐ、ふぅ……んぐ」

　こんな長いキス初めてだった。
　興奮したように隙間から零れる吐息。
　上手に答えたい。
　でも恥ずかしい。
　可愛がられるように何度も大丈夫と頭を撫で続けてくれて、受け入れようと我慢していた呼吸を吸ったり…吐いたりする。

「う、…はぁ……はむ…」

　上手くできているか分からないがこの苦しさが心地良かった。
　漏れ出そうな声を我慢して、荒い呼吸を繰り返す。

　時々、唇を舐められて知らず知らずに口が半開きになっていく。

「……舌、入れるな？」

　強引だけど気に掛けてくれる優しさ。
　　の声を聞くたびに安心して、ちゃんと女になって受け入れたいと息をする唇に宛がわれる。

ぬる…

「っ……」

　唇とは違う生々しい感覚。
　体がビクリと反応するも恥ずかしさに耐える。
　拒絶したくない。
　一緒に越えていきたい。
　　の好意も体も受け止めたくて、訳も分からない舌をそっと伸ばす。

「ん…」

　かたい舌と柔らかい舌。
　引っ込めようとしたけどヌルリと絡ませてきて、背中がゾクゾクッと震え上がる。

「…。もうちょい力抜いて」

「は…」

　レロッと唇のうえに控えめに出した舌。
　ねっとりと大きく絡ませてきて、包み込む手のひらと同様に愛おしく扱われているんだと知る。

「やりゃあデキんじゃん」

「うっせ」

　急に顔を離されニヤリと笑ってくる。
　はじめてキスを褒められた。

　唇の距離が縮まると少しだけ順応しはじめ、エッチなことなのにキスするのが少しずつ楽しくなってきた。