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第11章 「オレは男だ!!~最初で最後の俺の女になってくれ~」


 嫌われたくないくらい好き。
 本当にその通りだ。

  に優しくされると嬉しくて、可愛がられたりすると女でいる自分は可愛いのかと錯覚していく。
 本当の自分なのか分からないけれど今の自分は好きだ。
  に好きだと言ってもらえる自分が好きになった。

「………」

「………」

 頭を撫でている手は横髪から頬に降りてきて、キスされそうなくらい顔が迫る。

 ちゅ…と小さなリップ音を鳴らし、 は優しく頬を愛撫してくる。

「」

「…」

「ホント可愛いな」

「っ…」

「ホント可愛くてもっとシたくなる。少し唇開いて?」

「…、……」

 キスしたい。
 もっとキスされたい。
 気持ち良くキスをしたいのに体がこばわって、息もしづらくて、気持ちに応えたいのに体は順応してくれない。

ちゅ ちゅぱ…

「涙ためてどうした?」

「くやしい…」

「ん?」

「上手になりたいのに、できないから…っ」

 溢れてしまいそうな涙を拭う。
 ヒンヤリと当たる柔らかい唇は気持ち良いのに女に成り切れない。
 体がまだ強く、拒否っている。

「俺がやさしくし過ぎたセイかもな」

「?」

「が怖がると思ってストッパーかけまくってる。たぶん俺が原因だ」

「そ……そうなの?」

「最初は雰囲気だけでお腹いっぱいな顔してたから、ゆっくり小幅合わせようとしてたけど…やっぱ性に合わねーな!…」

「は……はいっ!」

 名簿から名前を呼ばれた気がして、つい改まった返事で返してしまう。

「今度は上からガッツリ行く。本気で無理なら俺を蹴り飛ばすくらいの蹴りで、嫌がってくれよ?」
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