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第11章 「オレは男だ!!~最初で最後の俺の女になってくれ~」



「なあ、」

「な…なんだよ」

 急に改まった声を出されて身構えてしまう。
 最近やたらと男を意識する警戒心。

「俺はさ。好きだから大切にしたいし我慢できるけど、心の中ではにもっと触りたいって思ってる。は、どうなんだ…?」

  にもその意識は伝わっていた。
 一歩一歩、男女として歩み寄っていくのには時間が許してくれるものでもなく、意識の変化が大切なんだと思わされる。

「どうって……その」

「俺に触りたい?」

「………」

 大雑把すぎて含まれている意味を深く考えたくなかったが、 に触りたい意思があることを頷きだけで返す。

「そっか、良かった。から男として見られてなかったらってちょっと不安だった」

「見てるよ!!じゃなきゃ…付き合ってる意味、ねぇだろ」

「だよな。けど好きも言ってくんねーし、キスの時もガチガチだし、慣れてねーのは分かってんだけど未だに片想いなんじゃねーかって考えたりする」

「そんなこと…」

 自分のセイで に不安を感じさせていた。
 女になったのだって、触られることを許したのだって、 をたった一人の男として受け入れたのに、 は理解してても納得までたどり着けないと口にする。

 伝えなきゃ伝わらない。
  が真剣に告白してくれたみたいに、証明しなきゃ前に進めない。

「オレだって…不安だよ。綺麗な体じゃないし、女として自信ないところばっかりだし、 のこと……か、…カッコ良いと思うから、女と期待されるとなんかこう…上手く言えないけど…っ」

  は経験豊富そうだし、こんなもんか、やっぱ無理、もういいわ…と、冷酷な目付きをした の姿が頭に浮かんできてしまう。

「嫌われたくないくらい俺のこと好きなんだな」

「!!」

  は嬉しそうにニカッと笑い、頭の上に手を乗せてきた。
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