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第11章 「オレは男だ!!~最初で最後の俺の女になってくれ~」
最初で最後の女。
のたった一人の女になる。
「ハッ……」
バカじゃねぇのと鼻で笑ったのに涙が溢れてきた。
一緒に居られなくなると思って女扱いされたくなかった。
汚い言葉をつかって必死に男のフリを続けてきた。
本当はキラキラと輝く女の子たちが羨ましかった。
声にならないほど塞き止めていた感情が震えて、これまで積んできた結晶を なら全部受け止めてくれるんじゃないかって思い始める。
キッカケは何にしろ、本当はあの時こわかった。
が居なかったら多分そういう目に遭っていた。
そういうことをする腐った連中だってことは からもしつこく忠告されてたし、噂も聞いていた。
まさか仲間の女ではなく、男の成りをした自分に降りかかってくるとは思わず、おぞましい恐怖を植え付けられた気分だった。
「泣くまで強がらせてたんだな」
「強がってねぇし…っ」
が人の頭を撫でてくる。
女みたいに優しく扱われて、止めようと思うのに涙が勝手に出てくる。
「ギューしていいか?」
「だっ、め」
「遅ぇよ」
の腕が伸びてくる。
頭ごとギュッと丸ごと引き寄せられて、こんなに強く想われていたのかと驚いて涙が止まった。
「よかった。本当によかったッ…」
の体温。
風が靡くたびに感じていたソープの香り。
「……。手遅れになってたらどうするつもりだったんだよ」
「そりゃ決まってんだろ。ぶっ殺す」
「出さなくてもぶっ殺すだったじゃん」
「大も小もねーんだよ。に危害を加える奴は誰だろうが許さねー」
「譲らねぇな」
「譲らねーよ。……。俺の側から離れるんじゃねーぞ」
体を少し離した距離から見詰められる。
そういう雰囲気なんだろうけど素直に応じられなくて、まだ手は出さねぇとニカッと笑われ、ホッと安心する女になった自分がいたのだった。