• テキストサイズ

この先はアダルト作品を取り扱い、⓲歳未満の方は閲覧禁止です。

第11章 「オレは男だ!!~最初で最後の俺の女になってくれ~」


 最初で最後の女。
  のたった一人の女になる。

「ハッ……」

 バカじゃねぇのと鼻で笑ったのに涙が溢れてきた。
 一緒に居られなくなると思って女扱いされたくなかった。
 汚い言葉をつかって必死に男のフリを続けてきた。
 本当はキラキラと輝く女の子たちが羨ましかった。

 声にならないほど塞き止めていた感情が震えて、これまで積んできた結晶を なら全部受け止めてくれるんじゃないかって思い始める。

 キッカケは何にしろ、本当はあの時こわかった。

  が居なかったら多分そういう目に遭っていた。
 そういうことをする腐った連中だってことは からもしつこく忠告されてたし、噂も聞いていた。
 まさか仲間の女ではなく、男の成りをした自分に降りかかってくるとは思わず、おぞましい恐怖を植え付けられた気分だった。

「泣くまで強がらせてたんだな」

「強がってねぇし…っ」

  が人の頭を撫でてくる。
 女みたいに優しく扱われて、止めようと思うのに涙が勝手に出てくる。

「ギューしていいか?」

「だっ、め」

「遅ぇよ」

  の腕が伸びてくる。
 頭ごとギュッと丸ごと引き寄せられて、こんなに強く想われていたのかと驚いて涙が止まった。

「よかった。本当によかったッ…」

  の体温。
 風が靡くたびに感じていたソープの香り。

「……。手遅れになってたらどうするつもりだったんだよ」

「そりゃ決まってんだろ。ぶっ殺す」

「出さなくてもぶっ殺すだったじゃん」

「大も小もねーんだよ。に危害を加える奴は誰だろうが許さねー」

「譲らねぇな」

「譲らねーよ。……。俺の側から離れるんじゃねーぞ」

 体を少し離した距離から見詰められる。
 そういう雰囲気なんだろうけど素直に応じられなくて、まだ手は出さねぇとニカッと笑われ、ホッと安心する女になった自分がいたのだった。
/ 264ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp