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第2章 「先輩♀と同僚♂の不倫現場に遭遇した結果」
「はあ…」
あれが世の中でいう"不倫"
嫌なものをみせられた気分で夜も魘され、朝から仕事も手に付かない最悪なコンディション。
「さん。溜息ばかりついて大丈夫?」
「ぅへ?!」
しっとりと落ち着いた音色の声。
屈んだ時に透き通るようなサラサラな横髪が落ち、耳にかけるとキラリと光る結婚指輪が目に入る。
「だ、大丈夫ですっ!何も心配はございませんっ!」
「そう?なら良いんだけど。困ったことがあったらいつでも何でも相談して頂戴ね」
「はいっ!お気遣いありがとうございま…す…」
勢い突き破った声を出して後半徐々に萎んでいく。
一番年下から昇格したというのにお転婆な真似をしてしまった。
可愛い後輩ちゃんに見られたら面目ない。
「先輩っ。コピー取ってきました!」
「うん、ありがと。じゃあここに座って。さっきの話の続きになるんだけど…──」
今は仕事に集中しなければ。
可愛い後輩ちゃんを一人前に育てなければ。
憧れの先輩のように憧れる先輩になりたい。
あの強烈な現場は忘れよう。
墓まで持っていく覚悟で。
先輩は先輩。
同僚は同僚。
なにもなかった。
なにも見てなかった。
今後のため、未来のために、それが一番いい。