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第9章 「初めての海外旅行!inフランス」
空港からパリ市内へ快適かつ安全に向かうためタクシーに乗り込む。
はフランス語を少し習得したらしいが、慣れている英語で運転手に行き先を伝えている。
「凱旋門?」
「うん。大体1時間ちょっとで到着するって」
「1時間ならすぐ着いちゃうね!」
北岸のシャンデリゼ通りに向かっていくタクシー。
空の色に感動し、日本国とは違う建物の作りに感動し、価値の分からない芸術的な絵やポスターが溢れている。
「 ちゃん…。安心したらお腹減ってきた」
「子供か」
「私は21歳になったばかりの子どもです。お腹と背中がくっ付きそうです」
「パンとスイーツ系、どっち?」
「フランスパン!」
「マジかよ」
「具体的にはハムとチーズの定番のバケット食べたい」
「そういって絶対違うの頼むんだな。分かってる。私にはすべてお見通しだ」
「ハムとチーズが食べたいのっ!トマトが入ってたらなお良し!」
「そこまでは知らんがな。んー…と、凱旋門が此処だから…」
がお店をリサーチしてくれている。
ホント頼りになる ちゃん。
無事、凱旋門付近に到着してエクレアをチョイスした。
「ハムとチーズとトマトはどこ行った」
「美味しいっ!セボ~ン!」
「まあ…美味しいものにありつけたんなら別に良いけどさ」
横目で にフッと笑われる。
お腹も満たしていざ観光。
眺めて写真撮って歩いて話して買い物して、余すことなく存分にパリの有意義な時間をたっぷりと満喫する。
太陽が沈んだ頃、やって来たのは観光名所のエッフェル塔。
美しくライトアップされており、思わず両手を合わせてボーイフレンドから愛の言葉を囁かれたくなってしまう。
「はぁぁ~……素敵♡」
シアワセな溜息が零れ落ちる。
ふと気付くと、さっきまで横にいた の姿が見えないことに気が付いた。
「え? …ちゃん…?」