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第8章 「万引きしたらハメ撮りされた」
「金払えば解決すると思ってんの?」
「もう二度としません。すみませんでした」
「謝って済むと思ってんの?」
「そうは思いません。心から反省しています。お店の人に迷惑を掛けて、本当に申し訳ありませんでした」
「なんで万引きしようと思ったの?」
「それは……」
頭を深く下げて謝罪の言葉を口にする。
ほんの少しの出来心でやってイイコトじゃなかった。
お店のものを盗るのは犯罪。
人のものを取るのも犯罪。
「顔上げろよ。なんで万引きしようと思った?」
床にポタポタと涙が零れ落ちた。
鼻水をすすって、下唇を噛み締める。
「ごめんっなさい…っ…」
親にバレたくない。
学校側にもバレたくない。
前科なんて残したくない。
自分のしたことは悪いことだって大人の人に叱られてようやく理解した。
もうそれしか考えられなくて泣きたくないのに涙が出てきて、背中から手足まで咽たようにガクガクと震えだす。
「ぐすっ、ごめんなさい…っ…」
「あのさー…。反省の色が全ッ然見えねぇんだけど」
「っ……」
「人の話全然聞かねぇし?謝ってばっかだし?泣いて許されると思ってんの?なあ」
「……、…」
「ほら黙る。何とか言えよ。万引きした理由ねぇの?」
「そ、れは……」
本当にくだらない理由。
「つ……つまんなかったから……」
「は?なにが。主語は?」
「学…校…とか、塾…とか……同じことばっかりで、なんか…違うことしたくなって…」
「つまり"刺激的な日常"が欲しくて万引きしたのか?」
毎日毎日同じことの繰り返し。
学校行って塾行って、日が落ちてから家に帰る。
「…はい」
正しく刺激的な日常という言葉がしっくりと来た。