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第6章 「レディース総長とロン毛隊長」
「……俺、ヘンなこと言ったか?」
静寂の空気を察したようだが真顔。
に答えを聞くように視線を寄こすも、大胆な告白を素直に受け止めるべきか路頭に迷っていた。
「惚れ込んでるって言ったよな?」
「そ、れは…言われたような…なかったような…」
頼むから皆の前で辱めないでくれ。
顔が熱い。
耳が熱い。
心臓がおかしい。
爆発する。
好き、愛してるとかの言葉以上に現実味を帯びた想いに気持ちの整理が追い付かない。
「じゃあ今此処に誓う!!」
「?」
突然立ち上がった は仁王立ちになり、決意表明する。
「俺、 はいまこの日をもってを生涯の伴侶として迎えます!!俺、 の生涯をもってとその子どもを授かり、一生幸せにすると今此処で誓います!!平成●年8月●日!!」
「「「 ……… 」」」
言い終わるとドヤッた顔で白い歯を見せてくる。
に惚れるキッカケになった真っすぐな笑み。
やっぱり が好きだと思った。
この男に惚れて良かったんだと。
一緒にバカでかい声で誓うのは自分らしくない気がして、仲間たちの方をしっかりと向いた。
「私は、 と…これからもずっと一緒に幸せになりたいと思っている。結婚とか正直ピンときてないけど、これからも…どうか見守っていてほしい…です」
居場所ができたから暴走族でいる理由がなくなる。
メンバーもその空気を察していたように沈黙を守り、一番可愛がっていた が口火を切った。
「末永くお幸せにっ! さんを狙ってるのは私だけじゃないんですから絶対にその手を離しちゃダメですよ!」
「うん。 、ありがと」
「寿退社じゃ仕方ないっすね!」
「めでたいことだけど退社じゃねーだろ。バカかよ」
「めでたいことだから多少バカで良いだろ!やんのか、ああ?!」
「ちょっと姐さんの前で二人とも。お二人とも幸せになってください。次の総長っすけど…」
「そうだな」
やっぱり此処は一番可愛がっている にやってほしい。
まだ番を張れるほど強くはないが気持ちはある。
あの頃よりは強いと思っている。