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第6章 「レディース総長とロン毛隊長」


 メンバー全員が祝福してくれるものだと思った。
 けれど、メンバーの半数が血相を変えて前に踏み込んできた。

「  って…」

「なにか問題のある男なのか?」

「総長。  は前から が狙ってた男ですよ」

「!!」

 恋愛トークに関しては右から左だった。
 その場に居たかもしれないが生返事していた事が多く、揉め事であれば加わるが、仲間が狙っていた男を横取りしてしまった事実を知り、言葉を失う。

「………」

 ヤバイ。
 仲間に捨てられてしまう。
 居場所を無くしてしまう。
 自分が、自分で居られなくなってしまう。

「もうヤッたんすか!?」

「ヤッてな…」

「家に入り浸って毎日ヤってんだろ!!どう落とし前つける気だ!!」

「おいそこに立てよ。総長だからってナメめてんじゃねーぞ!!」

 完全に仲間に火が付いてしまった。
 袋叩きにあう前に事情を説明しなければ。

「違う!!一旦話を聞いてくれ!!」

「それでなにか解決すんのかよ!!なあ!!」

「黙ってたのもテメェの都合が悪かったからだろ!!」

「それは本当に悪かった!! が、 を狙ってたのを知らなかった!!というか聞いてなかった!!これまで他人の恋路を見ていた方が自分には合ってたから、それで…!!」

「聞いてなかったじゃねーよ!!だったら付き合う前に報連相忘れんなや!!心改めたんだろォ!?だからこういう事態になってんじゃねーか!!」

「それは…本当に…」

 此処で自分が噛み付くのは間違っている。
 仲間の言い分の方が正しい。
 だから謝ることしか出来なくなってそれしか考えられなくなる。

 反省をしたいのに、息が詰まりそうになる。

「だったらタイマン張れよ」

「「「 !!!!! 」」」

 一人を余人で囲んでいた現場に居合わせたのは…

「 …」

 事の発端である  がやって来た。
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