第61章 ありがとう6
貴方side
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全員が風呂に入り、私達は洞窟で休んでいた。
疲れたのか、一足早くシンはぐっすり眠り始めてる
シ「…すぅ…すぅ…」
ア「…こんなによく寝てるシン君、初めて見たかも」
貴「確かにね。基地ではゆっくり寝てるトコ、一度も見た事ないし」
ダ「というか、寝てるとこ見た事ないな…」
ラ「…よく笑うよな、最近」
セ「うん、なんていうか……表情が和らいだっていうか」
ハ「…それな。マジでビックリしたんだけど」
ア「冗談も増えたわよね」
ハ「俺達のどーでもいい雑談に乗ってきたりなー」
ダ「初対面時とは、だいぶ変わったよな」
クレ「……きっと、楽になったんだよ。ずっと追いかけてきた目標を達成できて」
ラ「…兄貴の事か、5年も探し続けてやっと葬ってやれて。自由になれた」
……その自由になれたきっかけを、背中を押したのはやっぱり…
貴「……それに」
ダ「?」
貴「最後の最後に、自分を預けてくれる人に出逢えた……んだよね…」
ラ「……"先に逝きます、少佐"…か」
クレ「…」
ハ「俺達の死神も、寂しかったんだよな…」
セ「うん。仲間に先に死なれて、連れてくばっかりで」
ア「だから、良かったのよね。シン君にとって、あの言葉を残してこれたのは…」
クレ「………ちょっとムカつくけどねっ…」
全「笑」
クレナは、ムスっとした表情だけど……少佐に関しては、少しずつ信頼している部分もある様子だ
ラ「……まぁ、良かったんだけど…」
クレ「けど?」
ラ「…いや。何だかコイツにはもう、何もないような気がして…ちょっと、な」
貴「…」
確かに……お兄さんを探してきた目標がなくなった今、シンには何かをする事もない感じがする
この先間違えても、1人でなんて逝かない…よね…?
私は目的を果たした今、シンが1人で逝く真似をしないか…それが不安を過ぎっていた