第40章 伝えられない密かな想い
セオside
セ「…」
視線の先には、楽しそうに話してるレイカとダイヤ
あの2人が、仲が良いのは他の皆にとっては微笑ましい事だと思う
僕も、頑張って自分なりにダイヤの背中を押してきたつもりだったし
けど…
ハ「中々くっつかねーよなあの2人。ダイヤの気持ちなんか全員分かってるつーのに…やっぱ鈍感レイカじゃ伝わらんのか」
セ「…そうだね」
ハ「なんか、見てる側としてはこうムズムズ?するんだよなー。あのくっつくようでくっつかない感じ?」
セ「…そうだね」
ハ「…で、お前は良いの?」
セ「………は?」
ハ「だから、レイカに気持ち伝えねーの?」
セ「!?はぁ!?…な、何言ってるわけ…?」
ハ「いや分かるし、セオがレイカを好きな事くらい。
お前は隠してるつもりかもしんねーけどバレバレ、後はアンジュとか…多分ダイヤも気付いてんじゃねぇ?」
セ「…」
普段フザケてばかりなハルトなのに、こういう時は異常に鋭いんだけど……
セ「……言って、気まずくなるのは嫌だから言わない。それに、言っても気持ちが届く事はない」
ハ「…」
セ「見て分かるでしょ。レイカが一番心を許してんのは、ダイヤなんだよ」
仲間が死んだ時、辛い時常に彼女の隣にいたのはダイヤ。
そんなダイヤに、笑顔になりながら話すレイカを見てきたから……最初から、届く事はないのは分かりきってる
ハ「ふーん。……届かなくてもさ、気持ちくらい伝えた方が良いじゃねぇ?いつ死ぬか分かんねーしさ…後悔する前に」
セ「………ちっ、ハルトのくせに」←
ハ「くせにってなんだよ!?」ムス
セ「ハイハイ、アリガトー」
ハ「めっちゃ棒読み…」
絶対気にしないつもりでずっとやってきた
言っても、困らせて気まずくなるだけ
だから、伝えられずにいた。届く事はないと分かってるから
でも、いつかは伝えなきゃ
いつ死ぬかわからない状況で、後悔しないように
オマケ
セ「…ねぇ、因みにハルトはレイカをどう思っての」
ハ「……うーん、俺は姉のような存在?」
セ「ふーん」
ハ「あ、まさか俺にも嫉…」
セ「煩い、馬鹿ハルト!」
図星を付かれ、悪態をつく自分だった