第37章 忘れないでいてくれますか?2
貴方side
ア「シン君もライデン君も、だから言い出せないんじゃないかって思うの。多分言っても傷つくかもって、そう考えたんだと思うわ」
そう言うと、髪を洗い終わり軽く手で振るう
すると、背中には彼女がずっと隠していた事が見える
クレ「………アンジュ、良いの」
ア「何が?」
クレ「だって、これまでレイカ以外とシャワー浴びなかったのに…」
ア「……うん、流石にもう良いかなって。3人しか居ないのに隠す必要もないし」
アンジュの背中には、強制収容所で白豚達に虐待され付けられた傷痕が残っている。
髪を伸ばしてるのも隠す為であると、最初に教えてくれた
貴「…今更感だけど、何で私とはずっと?」
ア「…………初めてレイカに会って、この人なら信頼出来る、って思ったの。勿論皆も信頼してるけど、レイカは一番なのよね」
貴「……っ…」
クレ「あ、嬉しそうな顔してる。泣いてる?」ニヤ
ア「え、こっち向いてくれる?」ニヤ
貴「いや、な、泣いてないし!!//」
アンジュの言葉に、軽く涙ぐんでると案の定誂う2人
ア「…そういえば、レイカも髪長いわよね。私と同じくらい」
クレ「切った時ないの?」
貴「ああ、スピアヘッドに所属した時に切ろうかは考えたんだ。けど、この髪の色は…両親と同じだから、このままでいたかったんだよね」
クレ「…」
貴「……この事さ。お花見の時に、ダイヤには話したんだよね」
ア「…ダイヤ君に?」
貴「うん。その時、言ってくれたんだよね…………"綺麗な髪色だから、切らない方が良い"…ってさ」
クレ「…そうだったんだ…」
貴「なんか、嬉しくてさ。両親と同じ髪色を綺麗って言ってくれて……それ以降は、結んだりしてるし」
ダイヤとの話の内容を話すと、隣でアンジュがニヤニヤしている
ア「それで?ダイヤ君を、どう思ってるの?ずっと、聞きたかった事なのよ」
クレ「あ、私も気になる!」
貴「え?……どうって、仲間でしょ?」←鈍感
………
ア/ク「………はぁ…」
貴「…え、何で溜め息…?」
何故か大きく溜め息をつかれ、何がなんだか分からない状態