第24章 本当の名前を5
レーナside
シ『………昨日戦死したキルシュブリューテは、"カイエ・タニヤ"という名です』
レーナ「…!」
シ『副長のヴェアヴォルフが、"ライデン・シュガ"。
アイリス、" レイカ・アカツキ"。ラフィングフォックス、"セオト・リッカ"。
スノウウィッチ、"アンジュ・エマ"。ガンスリンガー、"クレナ・ククミラ" 。
ブラックドッグ、"ダイヤ・イルマ"。ファルケ、"ハルト・キーツ"…』
次々と名前を伝えてくれ、私は座りながらメモ帳に名前を書く
★★
シ『……以上になります』
レーナ「ありがとうございます」
21名の名前を聞き終わり、お礼を伝える
レーナ「私はヴラディレーナ・ミリーゼです。どうぞ、レーナと」
シ『伺ってます。……階級は』
レーナ「少佐です。まだ、なりたてですけど」
シ『では、以後ミリーゼ少佐とお呼び致します。よろしいでしょうか』
レーナ「はい」
すると、レイド先からガタガタッと音がする
レーナ「何を、してるんですか?」
シ『…名前を、カイエの名前を遺しています』
レーナ「え?」
シ『俺達86には、墓がありませんので』
レーナ「!?」
咄嗟に、近くにある誰かのお墓を見る
シ『最初の部隊で、他の奴等と約束したんです。死んだ奴の名前をそいつの機体の破片に刻んで、生き残った奴が持っていよう。
そうやって最後まで生き残った奴が、そいつの行き着く場所まで全員を連れて行こう、と。
その時は俺が最後で、今までずっとそうでした。
だからこの隊でも、それは俺の役目です』
レーナ「5年前からずっと……今までもう、どれ位の人数になるのですか?」
シ『561名です。カイエを含めて』
レーナ「その全員の事を…」
シ『覚えています、連れて行かないといけないから。
俺と共に戦って死んだ全員を、俺が行き着く所まで』
あまりの人数に、その全員の名前を覚えてる彼に尊敬の言葉しか思いつかない
レーナ「…だから、貴方はアンダーテイカーなんですね」
シ『…それもあります』
レーナ「私は、死なせた部下と向き合いもせず嘆いてばかりで、本当に…ごめんなさい」