第22章 本当の名前を3
ダイヤside
セ「……はぁ。…あーも!皆してさ…」
貴「そりゃ、羨ましいからね。そうやってずっと大切に覚えてられる人に会えて」
クレ「!……」
セ「……いきなり何」
貴「私は、ずっと1人だったから…そういう人にすら会えてないからさ」
ダ「…」
ア「…レイカ…」
ボタンを付けながら話すレイカは、悲しくて落ち込むような表情だった
クレナ同様、家族を殺されたレイカはずっと1人だったと最初に聞いた
セ「…………ごめん」
貴「何謝ってんの。ほら、ボタン付いたから着な」
セ「…ありがと」
セオは、レイカにだけは素直で小さく呟きながら謝り服を着始める。
☆☆
貴方side
数時間後、当番の洗濯係を終わる
洗濯物を干し、カゴを持ちながら歩いてると…
セ「…」
貴「セオ?どうした?」
セ「………さっきシンに会ってさ。キルシュブリューテの破片持ちながら」
貴「…そっか」
俯きながら前を歩いてくるセオに声をかける。
私達86には墓がない。だから、長年生き残ってるシンが各自のジャガーノートの破片に名前を残している
それが"死神"や"アンダーテイカー"と呼ばれる1つでもある
セ「…あのさ」
貴「?」
セ「隊長だったら……何て言ったかな、あのハンドラーに」
貴「……キツネの、隊長さん?」
セ「うん。流石の隊長も怒ったよね…………まぁ、どーでもいっか!もうパラレイド繋げて来ないだろうし、あんな聖女ごっこの白豚なんかさ…」
貴「…隊長だったらそうは言わない……セオは、そう思ってんじゃないの?」
セ「…っ…」
いつもクールな彼の表情は、ピクリと歪んでいた。
そんなセオの頭を優しく撫でる
セ「……レイカは、どう思ったの」
貴「…セオが言った事は、少なくとも私や他の皆も思ってる事だよ。
まぁ、言い方はあんまよろしくなかったけど………お前も、そこは後悔してるんでしょ?今日珍しく上の空だったのもさ」
セ「…」
貴「ほら、夕ご飯の時間だ。一緒に行こ」
セ「……うん」