第20章 本当の名前を1
セオside
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ラ「…セオ」
セ「…分かってる」
苛立ちの気分のまま俯いてると、しばらくしてライデンが繋いできた
セ「……最悪。あまりにイライラして、レイカにまで…」
ラ「レイカは分かってる。だから止めてくれたんだろ」
気持ちは収まるどころか余計腹立たしい、白豚なんかの為に…かけがえのない仲間にまで少し噛みついてしまった
よりによってレイカに……後で謝らなきゃ…
セ「……ごめん、カイエ」
燃え尽きるキルシュブリューテの残骸を見やって目を伏せた。
墓を作る事も、連れてかえる事も出来ない。
とうに見慣れてしまった、仲間の遺体
セ「豚と同じ真似をして、君の死を穢した……」
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貴方side
夜、夕食を食べ終え各自自由に過ごしていた。
貴「…」
ダ「こんな所に座ってると、風邪引くぞ?」
貴「?……ダイヤ」
外に1人で座ってると、後ろからダイヤが話しかけてきた
貴「どしたの?」
ダ「え、あ、いや………!部屋戻ろうとしたら、レイカが見えて!(…本当は探してたとか言えない…)」
貴「そっか」
自分の隣に座りながら、今日の事を話すダイヤ
ダ「………カイエの遺体、敵に持ってかれたな」
貴「…残ったのはキルシュブリューテの残骸だけ、か…」
86に来た時から、死ぬ事は覚悟してるし仲間がいつか死ぬのも
けどやっぱり、仲間が…私にとっての家族が、居なくなるのは悲しい
アンジュもそうだけど、カイエとは何かと話しをする機会があったから余計に
ポタポタ…
ダ「…!」
貴「あ、いや…ちょっと、目にゴミが…」
グイッ
貴「?!」
ダ「えーと…今ハンカチとか持ってなくてさ。その、服濡らしていいから!」
ダイヤに頭を抱き寄せられながら、抱きしめられる
ダ「何も見てないから」
貴「……ありがと。明日からは、いつも通りだから…」
ダ「うん」
何も言わないで、何も話さないで隣に居るのは……ダイヤの、性格の良い所なんだよね…