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最強剣士小隊長【ダイヤ・イルマ】

第19章 秘めていた怒り


貴方side



セ「そりゃこっちだって暇だったからさ。アンタが自分だけは差別しません、豚扱いしません、高潔で善良で正義なんですって勘違いの聖女気分楽しみたいのは、そういうどうでも良い時なら付きあってもやるよ。

けどさ、こっちはたった今仲間が死んだんだ。そういう時までアンタの偽善に付きあってなんかいられないって、それくらい分かれよ」

ハン『…偽善…?』


セオは、溜まりにたまった苛立ちをぶつける









セ「それとも何?仲間が死んでも何ともないとか思ってる?
……ああそうかもね、アンタにとって所詮86はアンタみたいな高尚な人間様とは違う人間以下の豚だもんねっ!!」


ハン『ち…違います!私はそんな…っ!』








セ「違う?何が違うんだよ。僕達を戦場に放り出して兵器扱いして戦わせて、自分だけ壁の中でぬくぬく高みの見物決め込んで、それを平気な顔で享受している今のアンタのその状態が豚扱いじゃなくて、じゃあ一体何だって言うんだよ!?」

ハン『…っ』










セ「86って呼んだ事はない?呼んだ事がないだけだろ!
アンタ、僕達が望んで戦ってるとでも思ってるのか?

アンタ達が閉じ込めて!戦えって強制して!この九年何百人も死なせてるんだろ!?
それを止めもしないで、ただ毎日優しく話しかけてやればそれで人間扱いしてやれてるだなんてよく思えるな!」


貴「セオ…」


ツラツラ怒りをぶつける彼の名前を呟く









セ「そもそもアンタ…っ僕達の本当の名前さえ、一回だって訊いた事がないじゃないかっ!!!」


ハン『…っ!!』



セオの言う通り。ハンドラーは一度も名前を名乗る事も、こちらの名前を聞く事もしなかった

レイドの奥先で、微かに鳴き声が聞こえる。












貴「セオ」

セ「!!レイカ!こんな白豚、庇う事なんてっ…」


貴「セオっ!……もう止めとけ」

セ「………っ分かったよ」


舌打ちをしながらセオは、レイドをブツンッと切る










貴「ハンドラー・ワン。もうレイド切って下さい」

ハン『……っアイリス、あの…』


貴「…ラフィングフォックスは言い過ぎましたが、私達も仲良く話したい気分ではないんで」



ハン『………っごめんなさい…』


ポツリと、静かにレイドを切るハンドラー・ワン
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