【呪術廻戦】Gentil Infection【五条悟】
第1章 五条悟も風邪を引く
必死に恥ずかしいのを我慢してやってる。耳が赤いもん、やだ可愛い。さっきの介護スタイルからのギャップよ、これには僕もキュンとしちゃった。
残り数口分もあーん、と言って貰って結局用意してくれた分を僕は食べてしまっていた。食欲無かったのに気が付けば完食だなんて……。
『ん、全部食べられてる、よしよし…』
手を伸ばして頭を撫で回されてる。気持ち良いけど介護から急に子供扱いのような気もしてきた。
はプチ、プチ…と音を立てて薬を出していた。上半身だけ起き上がっている僕の角度から見えないけれど、ちょっと首を伸ばして見れば粉を水で溶かしたスポドリ(朝作ってたって言ってたっけ)やグラスに入った水、パウチのゼリードリンクが見える。多分硝子の所に言って薬やゼリーは貰ってきたんだろうなぁ…。後で硝子に怒られそうな気がする。
『……じゃ、薬飲んで。39℃よりは下がったけどまだ熱あるからさ』
「えっ…もしかして体温僕が寝てる時に計ったの?」
『うん、随分とぐっすり寝てたから普段より大人しくてやりやすかったよ、ほら手ぇ出して』
普段よりって…普段そんなに僕って暴れていたっけか?見に覚えがないけれどなぁ…。
手を出してと言われたから素直に手を出せば片手に錠剤を4つ、そしてもう片手にグラスを渡される。
はそれを渡した後に茶碗を片付けにキッチンへと持っていった。
寝てる間にやっててくれたんだ、色々……面倒くさそうにしつつもしっかりしてる子なんだよね。薬を飲み、残りの水も飲み終えて空のグラスを持ったままに彼女を見る。その何かに真剣になっている横顔を見て急に溢れる愛情。
この子とこうやって一緒に居る事は幸せなんだなぁ、と思う。安心して甘えられて、素の自分も受け入れてくれる。今、何かしてあげたいけれどまだ少し頭ががんがんして真剣な事が考えられない。
「、」
『ちょっと、ちょっとだけ待って!』
パタパタ、という足音が聴こえ、カチャ、と食器を鳴らす音も聞こえてくる。洗い物って訳じゃないけれど…と思ったら何やら器を持ってやって来た。
ちょっと酸っぱいような甘い香りがする、ヨーグルト…かな?と首を伸ばした所で手に持った物を見せてくれた。はちょっと得意げな顔をしてる。